| 「シュウシュウの季節」 |
中国映画にはグっと心惹かれるものがある。 特に文化大革命時代の庶民を描いた作品は心痛く、やりきれないものが多い。
「ラストエンペラー」に出演していたジョアン・チェンが初製作したこの作品、あまりに衝撃的内容のため最後まで中国政府から撮影許可が下りず、逮捕覚悟でゲリラ撮影を敢行したというから彼女の気合は凄い。 もちろん完成後国内で上映はされていない。(はず、今はどうかな?)
文革の炎が下火になりかけた頃、「下放政策」(←分らない人は自分で調べてね)で農村に送られたシュウシュウがたどる過酷な運命。 これがあまりに酷くて、言葉でどう言おうとも足りない位哀しくて哀しくてやりきれなくてつらいのです。
農村で認められ、更に放牧を学ぶため人里離れた土地でテント生活をすることになったシュウシュウ、放牧を教えるのは中年の孤独な男ラオジン。 テント生活にうんざりし、迎えが来る日を指折り数えていたのに、期限が過ぎても迎えは来ない。 連絡を取る方法もなくただ焦る彼女、この辺からだんだんヤバイ感じになっていくんだけど、ここで「なんで?帰りたいなら取りあえず町まで行ってみればいいじゃん」なんて言ってはイケない! 当時の中国事情を知らないと彼女の戸惑いがよく理解出来ません。 そして訪れる町の男。帰りたくてしょうがない彼女に甘い言葉をかけ、「許可証をもってきてやる」と言って求めた見返りは・・・ああ、そうなのね。そうなっちゃうのよねー。そんで次は・・あーもっとひどい事に、ああ、あああああー(T□T)
彼女のそばで何も出来ず見守るだけのラオジンがまた!たまりません。 ラストに見せる彼の愛は、唯一の救いなのでしょうか。 あまりのひどさに嫌悪感を感じる人もいますが、ジョアン・チェンがかなりの覚悟でこの作品を撮ったとうことは充分伝わるし、「これじゃあもう中国に帰れなくなるんじゃないの?」と心配するくらい当時の問題点がズバっと描かれています。
見終わってしばらく立ち上がることも、誰かと目を合わせることも出来ない位心が打ち砕かれるこの作品、それでも多くの人に見て欲しいです。 もっともっと書きたいけど、もうドーンと暗くなってしまうので止めとこう。
ちなみにこの後ジョアン・チェンが撮ったのは「オータムインニューヨーク」なんで?ちょっとがっかりして彼女のインタビューを見てたら「3作目はアメリカの中国移民について撮りたいわ」と言っていたのですごく期待してまってるのに何年経っても撮る気配なし。
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