跳ね馬だって映画が好き
主にケーブルで流れる映画をだらだら見て感想を書いています。 決して評論や解説ではない、ただの『感想』・・読んでってくださる?
海を飛ぶ夢
海を飛ぶ夢海を飛ぶ夢
(2006/07/19)
ハビエル・バルデム、ベレン・ルエダ 他

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監督:アレハンドロ・アメナーバル
出演:ハビエル・バルデム、ベレン・ルエダ

ヴェネツィア国際映画祭主演男優賞、審査員特別賞、アカデミー外国語映画賞

現在公開中の「ノーカントリー」で恐ろしい殺人鬼を演じ話題になっているハビエル・バルデム
私が彼の素晴らしい演技力に心酔したのがこの作品です。

事故で四肢不随になった男性が26年近くをベッドで過ごし、
「死ぬ権利」を求めて闘う非常に重いテーマのお話。
話自体素晴らしいのだろうけど、何よりこの作品に輝きと重厚感を与えているのは
主人公ラモンを演じる、ハビエルの気迫あふれる演技あってこそ。
私たちは普段様々な行動やボディランゲージに慣れていて、
そこから言葉以外の感情を読み取るのだけれど
この主役はベッドから動かない。
手を振ることも出来ず、ただ人形のようにベッドに横たわるだけ。

複雑なラモンの心中を演じるのはさぞ大変だろうと思いきや
かえってその制約がハビエルの演技力を際立たせ
首から上だけの表現で観客をガッチリ捕まえてしまうのである。

夢の中でベッドから起き上がり、窓を飛び出していくシーンは
息を呑む瞬間、観客も一緒に飛んでいるようなあの映像に感動します。
ラモンの自由を求める心が胸に痛いです。

当初、ラモンは闘病生活でちょっと偏屈になっているような印象をうけるが
見ていくうちに彼の人間性にどんどん惹き付けられ
彼を取り囲む家族や仲間の暖かさ、愛情の深さと苦悩に涙する。

ただ重くて暗い内容では無いし、出演者達それぞれの人生が折り重なって
生きること、人生の意義、たくさんのことが詰まっている。
しかもそれがちっとも説教臭くなくて
私たちの人生の隣で起こっているように身近に感じながら鑑賞できる。

同じく四肢麻痺になった神父が死を思いとどまらせようと
一方的な説得をするシーンがかなりいい出来栄え、
見当ハズレで思い違いの事を押し付ける神父に怒って
ラモンの義姉が放つ台詞は拍手物でした。

オープニングからエンディングまでどっぷり映画の世界に浸り
作品を堪能できる素晴らしい傑作です。



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