| トスカーナの休日 |
監督:オードリー・ウェルズ 出演:ダイアン・レイン、サンドラ・オー、リンゼイ・ダンカン、ラウル・ボーヴァ
夫の裏切りと離婚に傷ついた作家は、 友人からトスカーナへの旅行をプレゼントされ(なぜか)ゲイツアーへ一人で参加。 そこで「ブラマソーレ」という築300年の元伯爵家に一目ぼれし なんとツアーを途中下車して即金で買ってしまうのである。
壊れてる時って人間何するか分りませんね。
数日間の滞在の予定が、現地に住み着くこととなり すっかり老朽化した「ブラマソーレ」の補修と改築が始まります。 自分の突飛な行動に驚きながらも 新しい人生を踏み出すため奮闘するフランシス。
家の補修をするポーランドから出稼ぎにきた職人達や 気さくな隣人ファミリーとの触れ合い ローマで出会ったイケメンとの燃える恋
もちろん途中でヘコむ事件も起きて立ち直れないかもってなるんだけど 「この家で結婚式をあげて家族が欲しい」という夢が 当初の予想とは違う形で現実となっていく。 豊かな人生とは何を持って豊かというのか? そんな事を考えさせられる魅力溢れる作品。
離婚した女性が逞しく新たな人生のステップを歩き出すという 分りやすいテーマなので、女性にはかなりウケると思います。 なんにしてもダイアン・レインが素敵なんですよ! 青春映画のヒロインだった彼女も小じわの目立つ中年女性へと成長し(?) 少しくたびれた感じが更に魅力となって 「かっこいい」とか「セクシー」なんかとはまた違う 人生の味を知った深みをかもし出しています。
劇中出てくるヨダレがたれそうな料理の数々に イタリア男の過剰な誉め言葉と甘い台詞に 言葉で伝えられない自然の美しさなど ストーリー以外も見どころは満載で、イタリア好きな人にはもっとお勧め。
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| 60セカンズ |
監督:ドミニク・セナ 出演:ニコラス・ケイジ、アンジェリーナ・ジョリー
これぞ正に、 「見ても見なくてもどーでもいいんだけど、見ればそれなりに楽しめる」 クラスの映画でございますね。(決して悪口ではありません)
かっこいい車が次々と、わんさかと出てくるので 視覚的には大変楽しめたし、 「すご腕の車泥棒テク」も充分堪能させてくれました。
でもなんだかちょっと気に入らない。 車にイチイチ女の名前を付けて「エレノア」とか呼んじゃっている。 気持ち悪いんだよー! そりゃね、シェルビー素敵だったわよ、だからってまるっきり 手に入らない高嶺の花というか手の届かない高級女の扱い。キモイ。
テンポよく高級車を盗んでいくあたりは気持ちも スカっとしてイー感じだったのに 本来ならこのストーリーのキモである 主人公の過去がハッキリ言って余計だったんじゃないかと・・思うわ。 「エレノア」を見つめるニコラス・ケイジの表情とか、こわーい! 危ない一線を越えてる感じで気持ち悪いでーす!
サイドストーリーよりも、メインの車泥棒を堪能するだけにしたい。 アンジェリーナ・ジョリーの役どころもあまりパッとせず キャラを使い切っていない感じでした。
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| ウェディングバンケット |
監督:アン・リー 出演:ウィンストン・チャオ、ミッチェル・リキテンシュタイン ベルリン国際映画祭金熊賞(グランプリ)
結婚を巡るドタバタヒューマンドラマ アメリカでゲイとしてパートナーと順調な暮らしをしていたウェイタンは 息子の秘密をしらない台湾の両親から来る結婚の催促に耐えかね グリーンカードを求める中国人女性との形式的な偽装結婚を決断する。
これでひとまず問題解決かと思いきや 両親が渡米し、長期滞在すると言うし、 盛大な披露宴をやるはめになるし、 次第に当初の安易な計画に暗雲が立ち込めてくる。
「お祝い事はともかく盛大に思い切り見栄を張って」 「お祭り事はとことんドンチャン騒ぎ!」 という中国のお家柄を思い切り表現されており ちょっぴり下品にも写る、いや、完璧に下品で呆れてしまうような 悪ふざけと悪ノリに苦笑しちゃいます。 ただ、それがアン・リー監督の故郷に対する暖かい視線のようにも 見えるのは私だけでは無いと思うのだけど、どうだろう。
いつまでもアパートに住み込んでしまった両親に なんとかウソを突き通し事態を収めようとするものの ウェイタンとサイモンの関係までギクシャクしてくるし 結婚の相手、ウェイウェイの気持ちも当初の割り切った感情のままではいられなくなる。
それぞれの思いがまっすぐで、両親は息子を思い 息子は両親を思い、恋人を思う。 そんな状況を受け入れようとするサイモンの苦しみや ウェイウェイの立場も微妙で 人間関係の描き方が素晴らしいです。
ドタバタコメディっぽく進めながら、辿り着くのは暖かいヒューマンドラマ 一見地味な印象を受ける作品ですが 家族の愛について描かれた、なかなか見応えある作品でした。
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| シティ・オブ・ゴッド |
監督:フェルナンド・メイレレス 出演:スラム街の子供達
拳でいきなり殴りつけられたような衝撃
この作品はその位のショックを私に与え、新しく出会った才能に心が震えるのを感じた。
3つの時間軸を上手く使いながら進められる物語は 非常にクールでスマート、メイレレス監督の繊細な演出のセンスが光っている。 これまでの映画では味わった事の無い、 未知の世界に触れたような興奮とでもいえばいいのか なんだか、とっても「やられた!」て感じ
その位、コレ見たときメイレレス監督の手法に夢中になった。
ブラジルのスラム街を舞台に、実際にそこで起きた事件を基に描かれているし 出演者もほとんどはスラム街に住む素人の少年達。 素人ゆえのナチュラルさがさらに作品のザラザラした雰囲気を増長させ リアルさも2倍増しになっている。
激しくなるストリートギャングの抗争、 小さな子供達が体に不釣合いな銃を持ち 言われるがまま引き金を引く。 闘う。 殺し合う。 小さな貧民街の利権を巡り、 ギャングのプライドをかけ町中が戦場となっていく様は、まるで現実味が無く なのにこれは実際に起きた事件で それも取材ではなく、渦中を見ていた人物の手によって書かれた本がベースになっている。
こういう作品を見ると、 「その人だけに与えられた特別な才能を持った人」というのがいるんだな とか思わずにはいられない。 それが彼の大変な努力の結果であっても 凡人からこんなセンスは生まれない。 こんなかっこいい映画、誰もが撮れるなんて思えない。
次回作の「BLINDNES」楽しみにしてます。
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| ボーイズ・ドント・クライ |
監督:キンバリー・ピアーズ 出演:ヒラリー・スワンク、クロエ・セヴィニー アカデミー主演女優賞
性同一性障害の女性が男性として生きた日々を、実話に基づき映画化。 ヒラリー・スワンクの魂こもった演技と役作りが高く評価され、 扱われたテーマや劇中起こるショッキングな事件で結構話題になりました。
何といっても男装したヒラリーがとっても男に見えるのがすごいです。 少年ぽい体型にするためかなりのダイエットをしたらしいのだけど 見事に華奢で脂肪の少なそうな少年体型に生まれ変り、 仕草やしゃべり方も非常にスムーズ。プロって尊敬しちゃう! ヒラリーがこの作品で見事に成功したのはもちろんだけど 私は相手役のクロエ・セヴィニーもすっごく良かったと思います。 適当に遊んで暮らしているような第一印象から、 次第にまっすぐで正直な彼女の人間性が見えてきて 非常に好感持てたし、惹き付けられる演技をしてました。 他には地味な作品にしか出てないけど、別の役も見てみたいなあと思います。
ストーリーはとっても重く、苦しい展開なので 受け止められる人だけ見て欲しいかな。
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| 海を飛ぶ夢 |
監督:アレハンドロ・アメナーバル 出演:ハビエル・バルデム、ベレン・ルエダ ヴェネツィア国際映画祭主演男優賞、審査員特別賞、アカデミー外国語映画賞
現在公開中の「ノーカントリー」で恐ろしい殺人鬼を演じ話題になっているハビエル・バルデム 私が彼の素晴らしい演技力に心酔したのがこの作品です。
事故で四肢不随になった男性が26年近くをベッドで過ごし、 「死ぬ権利」を求めて闘う非常に重いテーマのお話。 話自体素晴らしいのだろうけど、何よりこの作品に輝きと重厚感を与えているのは 主人公ラモンを演じる、ハビエルの気迫あふれる演技あってこそ。 私たちは普段様々な行動やボディランゲージに慣れていて、 そこから言葉以外の感情を読み取るのだけれど この主役はベッドから動かない。 手を振ることも出来ず、ただ人形のようにベッドに横たわるだけ。
複雑なラモンの心中を演じるのはさぞ大変だろうと思いきや かえってその制約がハビエルの演技力を際立たせ 首から上だけの表現で観客をガッチリ捕まえてしまうのである。
夢の中でベッドから起き上がり、窓を飛び出していくシーンは 息を呑む瞬間、観客も一緒に飛んでいるようなあの映像に感動します。 ラモンの自由を求める心が胸に痛いです。
当初、ラモンは闘病生活でちょっと偏屈になっているような印象をうけるが 見ていくうちに彼の人間性にどんどん惹き付けられ 彼を取り囲む家族や仲間の暖かさ、愛情の深さと苦悩に涙する。
ただ重くて暗い内容では無いし、出演者達それぞれの人生が折り重なって 生きること、人生の意義、たくさんのことが詰まっている。 しかもそれがちっとも説教臭くなくて 私たちの人生の隣で起こっているように身近に感じながら鑑賞できる。
同じく四肢麻痺になった神父が死を思いとどまらせようと 一方的な説得をするシーンがかなりいい出来栄え、 見当ハズレで思い違いの事を押し付ける神父に怒って ラモンの義姉が放つ台詞は拍手物でした。
オープニングからエンディングまでどっぷり映画の世界に浸り 作品を堪能できる素晴らしい傑作です。
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| オリバーツイスト |
監督:ロマン・ポランスキー 出演:バーニー・クラーク、ベン・キングスレー、ジェイミー・フォアマン
ディケンズの有名な小説でこれまでも映画化や舞台化されてきたようですが この作品を知るまで全く原作については知りませんでした。 それで、映画自体はどうだったかというと、なんと言うか期待はずれっていうか 上手くいきすぎっていうか、これって子供向け作品? 話の展開に無理が多く、何故どうしてそんな事になるのか どうにも納得できない場面が多い。
オリバーは不幸な子供時代を過ごし、 救貧院で人間らしからぬ酷い扱いを受けて育ったにもかかわらず 純粋で優しい心と礼儀正しい態度でたいへん好感持てる少年です。 悪い奴らに捕まって、悪事を働くよう強要されても 必死でそれを拒み、傷を受け、彼の純粋さが周りの人を動かしていきます。 だけど、彼自身が不幸に立ち向かって頑張っているというより 流れに任せたら運良く幸せが転がってきたという感じで その辺も感動を薄くする原因になっている。
いってみれば、安っぽい道徳小説みたいなんですよ。 現実味が薄すぎるし、結局オリバーだけが幸せになるし 当時の社会に対するディケンズの気持ちはわかるけど アニメにして子供に見せるくらいでいいのではないでしょうか。 大人向けの作品とは思えません。
一番おかしいのは、オリバーを苦境から救うおじ様が 何故そうまでしてオリバーを助けようとするのか全く説得力なし。 原作ではオリバーに出生の秘密があり、それを知っておじ様が 助けてくれるらしいけど、なんとこの映画ではそこを全部カット! だからなんで赤の他人でどこの誰かも分らない子供に あんなに一生懸命になってくれるのか見てる方は全然わからない。 ここって、結構大切な所じゃないのかなあ・・・。
期待していただけに肩すかしをくらったような気分。
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