| ラスト、コーション |
「ラスト、コーション」
監督:アン・リー 出演:トニー・レオン、タン・ウェイ、ワン・リーホン
ベネチア映画祭グランプリ<金獅子賞>、撮影賞
これ、見てからすでに数日経っていますが 見た当日はどうしても感想を書く気持ちになれなかった。 いろんな思いが巡って、とても文章に出来る気がしなかったのです。
ひとまず感じたのは、やっぱりアン・リー監督って力あるんだな、と。 オープニングの麻雀シーンで交わされる微妙な視線のやりとり 詳細な打ち合わせと演技指導の下行われたと思わせる 細かい、細かい仕事が見て取れて 「あぁ、やっぱりアン・リーだな」ってガツーンときます。
激しいセックスシーンは確かにR-18指定もうなずける表現で 一瞬引きましたね、一瞬だけど・・・ちょっと驚いた。 重要なのは、回を重ねるごとに変化していく2人の関係が、 2人の心の動きが、そのまま行為の中に反映している事です。 観客はベッドでの2人を見て、台詞に出てこない互いの関係を掴み どうのようなラストが用意されているのかグイーっと引っ張られるのです。
タン・ウェイが素晴らしい女優に見えました。 もちろん徹底した演技指導を行う監督のおかげだと思いますし アン・リーにかかるとどんな俳優も繊細で微妙な心の動きを表現できる 優れた役者になってしまいます。 なんだかそんな気になってしまう。
イーがチアチーに指輪を買ってやるシーンとかね、 あそこのトニーの表情がーーーー・・・・・・・いい! ちょっと見上げるような安心しきったようなあの顔 そしてチアチーの一言 いいね!いいよ!
ともかく細かい、 監督のこだわりが随所に見える、細部まで手抜かり無く作られた秀作
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| ロマンシングストーン 秘宝の谷 |
監督:ロバート・ゼメキス 出演:マイケル・ダグラス、キャスリーン・ターナー、ダニー・デビート
冒険アクションなんだけど、ノリは軽くあくまで楽しく作られている。 こういうのは割り切って楽しめればいいんじゃないかと思ってるので 見つけたお宝がインチキくさい緑のガラス玉でも別にいいの 全然ヘイキだしいつもの毒舌も出てこないよ。
マイケル・ダグラスが若くってー、とってもキュート♪ この頃は「こいつ気持ち悪い、どこがいいの?」なんて思っていたのだけど 30代になり段々と男の好みが変わってからは 「マイケル素敵〜セクシー」と180度かわってしまった私。 それなりにエンジョイ出来ました。
前半主役の2人が土手をどばーーーーーっと流れ落ちるシーンは圧巻 泥水に頭から突っ込むマイケル、遊び心があっていーですね。
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| クラッシュ |
監督:ポール・ハギス 出演:ドン・チードル、マット・ディロン、サンドラ・ブロック、テレンス・ハワード アカデミー作品賞、オリジナル脚本賞、編集賞
これまで見たどの映画とも違う衝撃 巧みに組み立てられた出演者の繋がり ポール・ハギスが書き上げた脚本は、ため息が出るような仕上がりた。 うっとりとしたため息ではない、 苦しさで漏れる吐息とでもいえばいいのか この何ともいえない閉塞感と息苦しさ、 骨太の社会派作品、という安直な言葉で表現してしまっていいのかもよく分らない。
ただ、ともかく、すごい映画だった。
群像劇のため出演者が多く、場面の転換も早い それぞれのキャストが抱える問題、苦しみが次々と観客へ襲い掛かり 苦しい。 出てくる人全てが苦しみ、うめいている。
これからこの作品を見る人に、あらすじを解説して何の意味があるだろう? これに関してはそんなもの多少読んだ所で分りはしない。 知っていても意味は無い。 全てを通して見終わったとき、「そうなんだ」と思えばいいと思う。
ポール・ハギスねー、びっくりしました。 とっても才能ある人なんですね。
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| ドライビングMissデイジー |
監督:ブルース・ベレスフォード 出演:ジェシカ・タンディ、モーガン・フリーマン、ダン・エイクロイド アカデミー作品賞、脚色賞、主演女優賞、メイクアップ賞
見れば見るほど心に染み入る極上の物語
頑固で偏屈なユダヤ系老婦人と、アフリカ系アメリカ人の初老の運転手が 25年という長きに渡って築き上げた、友情の始まりと結末について描かれています。
息子が年を取った自分に運転手をつけたのが面白くなくて、いじわるして無視をして まるっきりわがまま偏屈ばあさんになっているミスデイジー 対してそんな態度は意に介さず、ふふんふん♪と仕事を真っ当するホーク 2人の掛け合いがなんともいー間をもっていて、面白い。
いくら名作と聞いていても 「おばあさんとおじさんが主役で一昔前の南部の話なんて・・・」 と少し躊躇気味だったけども、絶賛される作品にはやはりそれなりの魅力があって 本作も観客の心をグイっと掴む素敵なエッセンスを沢山持っています。
どちらかといえばコミカルタッチで「ふふ♪」と顔もほころぶ映画なのだけど 随所に当時の偏見や差別が盛り込まれていて それが大仰でなく、さりげなく、自然な会話や仕草の中に表れている。 そこが上手いなあと。。。憎いなあ、と思ってしまう。 ひとつひとつのエピソードに無駄が無く 思い返しても(あのシーン良かったな、あそこのシーンも良かったな)と 思い出しながら延々語りあえる、そんなお話。
駄々っ子みたいなミスデイジーがホークに心を許していくあたりとか いつまでも強情っぱりでかわいくないんだけど、 そんな彼女に温かい目を注ぐホークがホントいい人なんです。
うーん、この味は若い年代でどのくらいわかるだろうか? 確かなのは、年を経ると共に胸に染みる良質な作品だってことかな。
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| エリザベス |
監督:シェーカル・カプール 出演:ケイト・ブランシェット、ジェフリー・ラッシュ、ジョセフ・ファインズ
「エリザベス ザ・ゴールデン・エイジ」の公開が近づいてきましたので 前作をちょっと取り上げておこうかな、と思います。 英国歴史上最も有名な女王であり、その劇的な人生に多くの人が魅了され 数多くの書物や舞台、映像を作成するインスピレーションを与えてきた人です。 そんな英国の偉大な大物を演じるのが、 オーストラリア出身のケイト・ブランシェットだという所にまず違和感を感じたのですが そんな杞憂を吹き飛ばし、見事な女王を演じてまして、素晴らしかったです。
普通に恋する一人の女性が王国の支配者として成長するまでの葛藤、 宗教、政治、当時彼女が置かれていた危うい状況など、見所は沢山あるし、 ちょっぴりこの辺の歴史に興味ある人なら楽しく見られると思います。 ただ、歴史なんてちーとも興味ないし、この時代のこと全然わかんないって人が これを見てどう感じるのかはよく分りません。
エリザベスが結婚まで考えたロバート・タドリーを演じるのは 「恋に落ちたシェイクスピア」で私を夢中にさせたジョセフ・ファインズ 今回ももうすっごく、すっごく、セクシーで、妖しげで、最高♪
愛を捨て、王として生きる決心をしたエリザベスが 生まれ変わったように登場するシーンは、そのう・・・圧巻! 見事です! メイクがお上手、ケイトもお上手 スクリーンにケイトの白塗りの顔がドーンと来た時は あまりの迫力に目がいつもより1.2倍位大きく開いた気がしましたよ。
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ちなみにゴールンデンエイジを見に行く予定はなし。 今はそれより「潜水服は蝶の夢を見る」が見たいな。
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| マイアミ・バイス |
監督:マイケル・マン 出演:コリン・ファレル、ジェイミー・フォックス、コン・リー
これさ、予告編とかすっごくかっこよさそうだったよね? 私はコリンもジェイミーもすごくかっこよく見えたし、 マイアミ・バイスは80年代アメリカでものすんごい人気ドラマだったし 作り手だって、それなりの期待を背負って結構な頑張りを見せてくれると思ったんですよ。
だ・け・ど 全然面白くなーーーい つまんなーーーーーい しょーーもなーーーい
わざわざ映画化した意味はどこに? ネタに詰まってこんなのに手を出してしまいましたって感じ? ファンをバカにすんじゃねーよ?!
せっかくコン・リーが出ているのに彼女もへーんな感じだし 呆れちゃって、プーーー。
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| Ray/レイ |
監督:テイラー・ハックフォード 出演:ジェイミー・フォックス、ケリー・ワシントン、レジーナ・キング アカデミー主演男優賞
”ソウルの神様”レイ・チャールズの伝記映画 ジェイミー・フォックスの「レイなりきり度」がすごい、とさんざん評判は聞いていたが まさに期待を裏切らない素晴らしさで、一気に彼の見方が変わってしまうほどです。
吹き替えなしで挑んだピアノ演奏は、本物のレイ・チャールズかと思うほどそっくりだし 話し方とか歩き方とかとても良く研究されていてスムーズに見ることが出来る。 伝記ものでも、撮影に入った時にはまだ存命だったわけで 観客もほとんどの人はレイ本人を知っているのだから 何よりまずその壁を乗り越えるのが大変だったと思う。
子供時代のトラウマ、弟の死や母との関係、病気での失明などが 時々フラッシュバックで出てくるのだが、 このよくある手法の使い方が今回はよく効いていたんじゃないでしょうか。 正直いって、この映画を見てもレイ本人に対して愛着とか親近感を持ちにくく 彼の内面が見えにくいので、 過去のエピソードはそこを補足するのに重要なポイントになっている。
当然ながら全編に渡って流れるのはレイ本人の名曲ばかり 特にレイ・チャールズというミュージシャンを知らなくても 聞いたことあるなーと思う曲も多いはずなので 知らない人もそれほどハンデなく鑑賞出来るでしょう。
すごく良く出来てる。 それはもう完璧なほどものすごく良く出来ている。 ただ・・・どうしてか、もう一度見たいとは思わない。
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| カッコーの巣の上で |
監督:ミロス・フォアマン 出演:ジャック・ニコルソン、ルイーズ・フレッチャー アカデミー作品賞、監督賞、脚本賞、主演男優賞、主演女優賞
名作です・・・。 これが傑作、後世に伝えたい光り輝く芸術品でしょ?ね?そうでしょ?
本物の名作とは鑑賞後も観客を縛り付ける。 エンドロールを呆然と見つめながら、先ほどまで目の前で繰り広げられたドラマの余韻に浸る。 衝撃を受けた自らの感性を落ち着かせ、得たものを噛み砕きながらじっくり消化するあの恍惚とした瞬間。 たまらなく美味しいものを口にした時のような快感。
映画に何を求めるのか千差万別だろうけど この作品は私が求める「それ」を持っている、 何年経っても色褪せない鮮やかな脚本にジャック・ニコルソンの名演技。 すごい、すごいわジャック。 この後も様々な作品で好演しているものの 私にとってジャック・ニコルソンの代表作といえば迷わずこれ、「カッコーの巣の上で」
人間の自由と尊厳を問いかける重厚なテーマが込められているので、 じっくり、正面から向き合って、心して観ていただきたい。
カーク・ダグラスが長いこと映画化交渉をしていたが実現せず 息子のマイケル・ダグラスに製作権が移ってからようやく作品となりました。 時期は遅れてしまったけど、だからこそジャックとマクマーフィーは出会う事が出来たし ジャックだからこそ、あの活き活きとした「生」を表現できたのだと思う。 作品と役者の出会いって本当に大切ですね。
実はこの映画、テーマが分りづらいらしく 「よくわからなかった」という人も結構いらっしゃるようです。 それは『見方が甘い!』 わからない人はアレコレ説明してあるサイトは沢山あるので勉強して復習しましょう。 この作品の意味が分らないまま素通りするなんて、あまりにももったいない。 最低3回は見て欲しいし、年齢を経て人生を知ったところでまた見て欲しい。
チーフがなぜあのような行動を取ったのか感じて欲しい。 彼は巣立った。 マックの心も連れていきました。
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| マイ・ビッグ・ファット・ウィディング |
監督:ジョエル・ズウィック 出演:ニア・ヴァルダロス、ジョン・コーベット、マイケル・コンスタンチン
タイトル通り、結婚をベースにしたとっても楽しくハッピーなお話し。
ギリシャ系移民として育ち、ギリシャの伝統を重んじる封建的な社会に嫌気がさしている主人公 ルックスもコミュニケーションも自信が無いまま30歳を向かえ 父親からはギリシャ男性との結婚を迫られる日々。 家族で経営するレストランに現れた素敵な教師にひとめぼれしたトゥーラは 自分を変えようと決心をして大学に通い、新たな仕事を手にし 活き活きとした魅力ある女性に変っていく。
イアンと付き合うことになり、遂に素敵な人との素敵な結婚が現実になると思ったら・・・ ギリシャ社会に固執する頑固オヤジと大勢のでしゃばり親戚連中により なかなか思うようにいかないんですね。 お相手のイアンは何系か分らなかったけど、典型的アメリカ人ファミリー 宗教が違うだの、礼儀しきたりが違うだの 様々な違いに互いの家族がすんなり親戚になるのは難しそう。
ギリシャ社会独特のいろんな風習にびっくり仰天するイアンの両親が笑える。 トゥーラの身内はどこも大家族で、みんなおしゃべり、 何でも口をつっこむし大騒ぎだし、そのドタバタ振りが見ていて楽しいです。
アメリカの小さな映画館で地味に公開された本作は 口コミでどんどん広がり、意外なヒット作になったそうです。 移民で構成される混沌としたアメリカ社会、人種違いの結婚は これまでもテーマとして取り上げられてますが、 その中でも異色のオモシロドタバタハートフル結婚コメディー 結婚式で頑固オヤジが 「見かけは違ってもどちらの家族も所詮同じ果物です」 (果物の意味は実際見たらわかりますから) というシーンはいいですね。名台詞だなあ。
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| モーターサイクルダイアリーズ |
監督:ウォルター・サレス 出演:ガエル・ガルシア・ベルナル、ロドリコ・デ・ラ・セルナ
キューバ革命の英雄、エルネスト・チェ・ゲバラが, 若き日に友人と行った南米縦断旅行を、ゲバラの日記をもとに映画化。 オンボロバイクに2人乗り、お金はないし予定は狂うし いろんなアクシデントも若さと勢いで乗り切っちゃう。 そんな旅の中で出会った人々により、ゲバラは大いに触発され 人生を革命に投じる闘士として目覚めていく。
実は頭30分位は全然面白くなくて、(つまんないなー)と思いながら見てました。 銀山で逃亡中の共産主義夫婦に出会ったあたりから本番に突入し ハンセン病療養所にてはっきりとゲバラの心に芽生えた 新たな、確固たる思いが伝わってくる。
この映画のおかげで(?)日本でのゲバラ知名度は飛躍的に高まったと思いますが、 正直私はゲバラの生き方に疑問を持っている。 キューバ革命のあと、政治家としても手腕を発揮していた彼が 国を捨てコンゴに渡ったのは、何より彼の純粋さと崇高な思想が、 政治と言う現実を受け入れられなかったからだと思う。
逃げたのだ。
苦しむ民に背を向け、またも理想を追いかけ新天地へ挑む 常に主義思想を貫こうとするその姿に英雄を見る人もいるだろうが、 受け入れがたい現実に真っ向から立ち向かわなければ 国を治めることは難しく、ただの理想主義者で終わってしまう。
深夜まで働き、早朝から畑へ出て民と共に汗を流すその姿勢は 民衆の心を掴むに充分すぎるほどであり、 今もキューバの人々が彼を英雄として誇りに思う気持ちも分る。
当時のキューバは大国に脅かされ、産声を上げたばかりの非常に弱い国だった。 カストロを擁護する気は無いが、 ゲバラがもっと違う政治的判断が出来る柔軟性を持っていたならば 今起きているキューバ国民の苦悩はいくらか和らいでいたのではないか、 そんなやりきれない思いが持ち上がる。
彼が傾倒していた共産主義社会は失敗だと歴史が証明したけど 共産主義というより、たんに弱者をほっておけない 良心にそむけないやさしい人、エルネスト・チェ・ゲバラ。 そんな彼の本質がチラリと覗く若き日の姿を見るのもいいと思う。 なんたって演じるのはガエル・ガルシア・ベルナルもう何度もゲバラを演じてきた 南米を代表する演技力とルックスをもったメチャいい男だ。
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